10-1 UVケアの基本
シミ、シワ、たるみ・・・
肌老化の全ては”紫外線”のせい!?
肌が老ける外的要因の一番は、紫外線!
そのマイナス影響は、はかり知れません
肌の老化には、大きく分けて2種類あるといわれています。ひとつは、年齢を重ねることで肌自体の機能が低下していくことでおこる「自然老化」。そしてもうひとつは、紫外線などの外的環境によりおこる「光老化」です。加齢による老化は、生まれたときから細胞レベルにまで深くプログラミングされているため避けようがありませんが、光老化は、日々のお手入れで、肌に現れるのを阻止するこおとは可能です。そのためにまず必要となるのが、UVケアなのです。
ちなみに1998年には、母子手帳から健康のために推奨されていた日光浴の項目が削除されました。理由は、紫外線を浴びるとDNA(遺伝子)に傷がついてしまうことが判明したため。遺伝子の傷は、通常2~3日で修復されますが、その傷が治らないまま突然変異をおこしてしまうと、皮膚ガンにつながってしまう恐れがあるのです。そう、紫外線を侮っていては絶対にダメ。肌に及ぼすマイナス影響は、本当にはかり知れないのです。
シミ、シワだけじゃない。
乾燥や、肌の免疫機能まで影響!
では、紫外線が引き起こす肌老化には、いったいどんなものがあるのでしょうか?まずは、「シミ」。紫外線を浴びると、メラノサイトがメラニンを生成するため、シミができやすくなってしまいます。続いて「シワ」。肌のハリや弾力に欠かせない、肌を支えるコラーゲンやエラスチンにも悪影響を与え、肌の弾力を奪ってしまうことで、シワやたるみの原因に。そして「乾燥」。紫外線を浴びると肌バリア機能にダメージを与えるため、肌は、内部の水分が蒸発しやすい状態となり、乾燥を招いたり、肌あれに陥ってしますのです。それだけでなく、なんと紫外線は、「肌の免疫力の低下」も招いてしまいます。
つまり、UVケアは、日焼けを防ぐためだけではなく、むしろその先にある光老化を食い止めるために必要不可欠!また紫外線は、肌だけでなく、目に浴びすぎるのも、注意が必要です。というのも、紫外線を目に大量に浴びてしまうと、白内障になりやすくなってしまうからです。気をつけたいですね。
紫外線ダメージは、日々、肌にどんどん蓄積されています
過去に浴びた紫外線は、「シミ貯金」として肌の中で満期になるのを待っています
紫外線は、日焼けや乾燥のようにすぐに現れるダメージもあれば、シミ、シワ、たるみのように蓄積したダメージより、時間をかけて現れてくるものがあります。実は、日々浴びている紫外線ダメージは蓄積され、容量を超えたときに、シミやシワとなって現れてくるのです。つまり、紫外線は、今までの人生で浴びてしまったダメージを肌の奥に「貯金」してしまうのです。
ということは、今浴びている、そして過去に浴びた紫外線が、5年後10年後の肌へ影響を及ぼすのです!しかも一説では、一生に浴びる紫外線の半分以上は、20歳までに浴びてしまっているともいわれています。だとしたら、未来の肌のためにも、これ以上の紫外線ダメージを肌に蓄積させないこと、毎日こまめにUVケアをして紫外線を防ぐことがとても重要なのです。紫外線対策は、晴れた夏の日にだけ・・・なんて人は、特に要注意。なぜなら紫外線は、夏だけでなく一年中降り注いでいるのですから。
曇りの日だって、最大で晴天時の80%!
しかも屋内にだって、紫外線は届きます
紫外線は、太陽の照りつける晴れの日だけでなく、曇りの日も雨の日も、そして肌寒い日にも、その量には差があるものの一年中降り注いでいます。そもそも紫外線は、波長の長さの違いで3種類に分けられます。波長の長い順に「A波」→「B波」→「C波」とあり、一番短いC波は、地上に届く過程でオゾン層に吸収され、届くのはA波B波の2種類です。もちろんA波もB波も、オゾン層を通るときにある程度は吸収されますが、近年オゾン層が減少しいていることで、届く紫外線は、昔に比べてどんどん増えてきているといわれています。1年を通したUVケアの必要性が以前より叫ばれているのはこのためなのです。ちなみに、A波のピークは5月頃。そしてB波は7~8月です。また1日では、10~14時ころにピークを迎えます。
細胞に炎症を起こし、シミをつくるB波。
肌の奥まで届いて、シワをつくるA波
太陽にあたると日焼けしますが、これは、紫外線B波の影響です。A波に比べて波長の短いB波は肌の「表皮」までしか届かない紫外線。しかし炎症や日焼けをおこすとともに、メラノサイトを刺激し、メラニンを生成させるため、「シミ」や「ソバカス」の原因となってしまいます。
一方波長の長いA波は、肌の奥「真皮」にまで届き、活性酸素をつくり出したあげく、肌のハリや弾力を保つコラーゲン線維やエラスチン線維を変性させるため「シワ」や「たるみ」の原因となってしまうのです。
また、A波は、波長が長いため約70%が窓ガラスを透過し、一方シミの原因となるB波でも約30%が室内や車内に届いてしまいます。紫外線の影響は、屋内だからと言って安心できないのです。
UVケアは通年が常識。つけ直しも忘れないで!
朝のスキンケアは、UVケアまでが1セットと心得よう!
シミだけでなく、乾燥やシワ、たるみの原因にもなってしまう紫外線。しかも紫外線ダメージは蓄積するため、ほんのちょっとの油断が、後々肌のトラブルにつながります。たとえば、朝のゴミ出しや洗濯物を干すためにちょっとベランダへ・・・というとっきにも、紫外線はシワジワ、コツコツと肌に刺激を与えながらそのダメージを蓄積します。だからこそ、UVケアは、朝の洗顔の後のスキンケアと1セットに考えて、習慣づけることを覚えましょう。
また、ファンデーションが汗や皮脂でくずれてしまうように、UVケアアイテムも、時間がたつにつれ、汗で流れたり、皮脂でムラになったりします。メイク直しをするように、UVケアにもお直しが必要です。ファンデーションなどにUVカット効果が含まれているものを使っている場合は、まめにファンデーションをぬり直すのでもかまいません。また、ぬりムラがあると、紫外線カット効果も落ちてしまいます。日焼け止めは、乳液タイプやジェルタイプが多く、ぬってしまうとムラづきかどうかわからないため、ぬる場合は丁寧に、が鉄則です。
SPFとPAをチェックして自分の生活環境にあったお手入れを
UVケアアイテム(日焼け止め)には、必ずSPFとPAの数値が記されています。SPFとは「Sun Protection Factor」の略で、紫外線のB波を防ぐ力を表します。数値が大きいほど防ぐ効果が高く、最大表示数値は、「50+」です。PAとは「Protection Grade of UVA」の略で、こちらはA波を防ぐ効果を表します。表示は「+」「++」「+++」の3段階です。
市場に出ているUVケアアイテムには、あらゆる数値のものが混在しています。UVケアは、毎日行うのが望ましいですが、毎日数値の高いものをつける必要はありません。紫外線防止効果が高いものは、肌への負担も高くなってしまいがちなので、日常生活ではSPF15~25程度のもので十分だといわれています。もちろん屋外やレジャーなどに出かける場合は、レジャー対応のUVカット効果の高いアイテムで、しっかり防御するのを忘れずに。
またUVケアアイテムは油性なので、落とすときはクレンジング剤を使います。ボディ用でもSPF値が高い、ウォータープルーフタイプには専用のクレンジング剤がおすすめです。
紫外線は、素材や色によっても防げるチカラが変わってきます
日々のUVケアで、紫外線を防ぐ習慣をつけるのはもちろんのこと、紫外線がピークを迎える時期は、サングラスや洋服などで紫外線カットする方法も覚えておきましょう。たとえば、洋服の色は、白っぽいものより黒っぽいものの方が、紫外線カット力は高くなります。また素材でいえば、ポリエステルは紫外線を通しにくい素材なのだとか・・・。また、肌だけでなく瞳もしっかり守りたいので、夏場のサングラスはやはりUVカット効果のあるものを選びたいですね。