1-2 表皮・真皮・皮下組織
表皮・真皮・皮下組織
刺激から肌を守りながらうるおい力の決め手となる、「表皮」
肌は、表面側から「表皮」「真皮」「皮下組織」という、3つの層からできています。
外界に触れる、一番表面の層が「表皮」で、部位によって多少異なりますが、約0.4~0.6mm程度の厚さです。しかもこの表皮は、その中で、さらに細かく役割分担されています。
まず、表皮の一番外側にあるのが「角質層」です。ラップとほとんど変わらない約0.02mmという極薄な層ですが、この中には、角質細胞がレンガ状に積み重なり、受ける刺激から肌を守りながら、肌内部の水分が外へ逃げていかないように守る”バリア”として働いています。
さらに角質層の下には、最終的には角質細胞へと変化する表皮細胞が連なる「顆粒層・有棘層」、その下には、表皮細胞をはじめ、紫外線から肌を守るために欠かせないメラノサイトなどを生み出す「基底層」が続きます。
よく、肌は常に生まれ変わっているといわれますが、それは、この表皮のみ。逆に真皮は、ほとんど生まれ変わりません。
表皮の下で、土台となりふっくら肌の決め手となる、「真皮」
表皮が、肌のうるおいを担う層なのに対し、肌の95%を占める「真皮」は、肌のハリや弾力を内側から支える土台として働いています。肌のハリといえば、すぐに思い浮かぶ”コラーゲン”ですが、実際、真皮の70%をコラーゲンが占めているのです。
真皮の構造と肌のたるみの関係は、ベッドマットを思いうかべるとわかりやすいと思います。まず、真皮内に網目状にはりめぐらされた「コラーゲン繊維」は、そのスプリングをしっかりとつなぎ合わせる結束物に。さらにコラーゲンやエラスチンのすき間には、水分をたっぷりと抱えたヒアルロン酸を主としたゼリー状の「基質」でみたされていますが、これはマットのスポンジだと考えてみましょう。スプリングやスポンジがへたり、ベッドマットがたゆんでしまうと、おのずとそのうえにある布団もたゆむように、表皮を支える真皮がたゆむと、真皮はたゆみ、肌表面にはたゆみやシワが現れてしまうのです。
Point
クッションや体温の維持を担当
■皮下組織
真皮の下には、脂肪を主とした「皮下組織」があります。厚さも部位によりかなり違っており、栄養状態などにより、量や質も変わってくるだけでなく、組織構造的にも境界が不明瞭となっています。