3-1 「保湿」とは?
肌の健康のためにも、美しさのためにも必要なこと
スキンケアで、一番大切な「保湿」とは?
肌にくすみを感じてしまったり、手のひらがふれたときにゴワつきが気になるとしたら、それは、肌の基本であるうるおい力が失われているサイン。正しい保湿ケアで乗り切りましょう。
スキンケアの要は、ズバリ”保湿”!
それは、「角質層」の機能を保つこと
スキンケアを行ううえで、大事なポイントとなるのが「角質層」の健康です。角質層の機能を正常に整えることは、スキンケアの一番の目的だといっても過言ではありません。なぜなら、角質層の機能を守ることは、肌のバリア機能を保ち”肌体力”を付けるだけでなく、肌そのものを美しく見せるためにも欠かせないものだからです。そして、その角質層の機能正常化のために、必要かつ大切になってくるお手入れこそ「保湿」なのです。
では、保湿とは、どんなお手入れのことなのでしょうか?それは、肌の水分バランスをよりよく保つためのお手入れの総称と考えるとよいでしょう。実は、「保湿=化粧水またはクリーム」のことと勘違いしている人が多くいらっしゃいますが、それは大きな間違い。化粧水やクリームだけでは、与えた水分はすぐ蒸発してしまうため、保湿にならないのです。保湿とは、保水+油分でのカバーのこと。両方のバランスが必要であると覚えておきましょう。
肌のうるおいバランスを保つ、「3大要素」をサポートすることこそ保湿の役目
そもそも肌は、栄養分や酸素だけでなく、水分も真皮から表皮へと受け渡されることで、その健康や美しさをキープしています。そして、もちろん、この内側から受け取る水分を、しっかりと角質層へとくみ上げ、キープするための機能も保持。それが、はだのうるおいバランスを保つ3大要素「細胞間脂質」「NMF(天然保湿因子)」「皮脂膜(天然のクリーム)」です。お手入れで行う保湿は、この3大要素をサポートするために行います。
まず、「細胞間脂質」とは、角質層内にある角質細胞同士の間に存在する、水分と結合した脂質です。この細胞間脂質のお陰で、角質細胞が離れることなく整然と並び、キメを整え、肌はうるおいと柔軟性を守っています。そして角質層の30%を占める「NMF」は、吸湿性に優れるため、角質層細胞内で水分を抱え込み、角質層の水分保持(保湿)の鍵を握る存在。3つめの「皮脂膜」は、皮脂と汗とがなじみ天然のクリームとして肌表面で膜をつくることで、バリア機能を強化しながら、うるおいを保っています。